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きままに              (ミュージックス福岡)

音楽に限らず、気の向くままに... 気分も新たに再出発 !! (Since 2014 Summer)

魔術師(4)

 岩下君からはめられたのは、ジェフリー・
ディーヴァーという作家。その罠にかかった
一つの原因は、この作家の評判の良かった作品が
映画化されていたこともある。私はその映画は
見ていないが、岩下君にいわせると映画は
ゼンデル・ワシントン、アンジェリーナ・ジョリー
という人気俳優を起用したにも関わらず、
その人気におんぶした格好で、原作の面白さを
充分には引き出しておらず、失敗作といっても
いいだろうという評。その作品というのは
「ボーン・コレクター」。映画はそのような
ことだが、著作としてはジェフリー・ディーヴァー
にとっては、存在を知らしめる大ベスト・
セラーになった。だから映画化にもなったのだが。
 「骨」に異常に固執する犯人が、むごい
殺人事件を起こす。この事件を調査し、犯人を
捕まえるべく活躍するのが、この物語の主人公
リンカーン・ライム。元ニューヨーク市警の
科学捜査部長で、かつて世界最高の犯罪学者と
呼ばれていたが、数年前に担当した事件の捜査中に
大事故に巻き込まれ、一命はとりとめたものの
四肢麻痺の体になり、車椅子の生活で自力で
動かせるのは首から上と左手の薬指だけという
過酷な設定。当然、彼も人間だから弱さもある。
ニューヨーク市警を辞め、人付き合いを断ち、
自らの命さえ断とうとするが、その「死」さえ、
自分の力では行えない。そんなライムにかつての
犯罪捜査に対する情熱を取り戻させたのは
「ボーン・コレクター」という連続殺人鬼。
この史上まれに見る凶悪犯を何としてでも
捕らえなければ。
 日本映画における刑事物、犯罪物では、捕まえる
刑事などは年をとった人も多く登場するが、
大体は若く、がっしりしたという感じが多い。
しかし、リンカーン・ライムの体はほとんど
動かない。そんな彼の手足となって動くのが
アメリア・サックスという女性。背が高く、
超がつくほどの美人だが、彼女にも過酷な設定が
してある。ジェフリー・ディーヴァーという作家は
相当なサディストかも知れない。アメリア・
サックスは膝に持病を持っている。その上、
恋人にも問題を作って別れさせている。
このことが彼女の心に大きな傷となって残って
いる。それに市警時代に彼の仕事ぶりを高く
評価していた仲間のうち、ロン・セリットー、
ボー・ハウマンなどが慕って、また彼の実力を
頼って、いまは独立して1市民として、事件の
解決にあたるライムの事務所に出入りする。


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